エネルギーの種類と利用

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UNIT 06
世界の資源・エネルギー
LESSON 01

エネルギーの種類と利用エネルギー資源はどのように分類できるのか?生産国と消費国はどのように異なるのか?

新しい単元「世界の資源・エネルギー」の第1回です。まず資源とは何かを確かめます。そのうえで、一次エネルギーと二次エネルギーの違い、エネルギー消費量の歴史的な推移、エネルギーの生産国と消費国が一致しない理由を見ていきます。

▶ 動画 10:08

この記事でわかること

  • 一次エネルギーと二次エネルギーの違いを、具体例とともに説明できる
  • 産業革命からエネルギー革命までの、エネルギー利用の移り変わりを説明できる
  • エネルギーの生産と消費の不均衡を、中国・アメリカ・日本などの例で説明できる

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動画:エネルギーの種類と利用

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今回から、新しい単元「世界の資源・エネルギー」に入ります。その第1回のテーマは、エネルギー資源の種類と利用です。

まず資源とは何かを確認し、そのうえでエネルギー資源の種類、利用の移り変わり、生産と消費の不均衡の順に整理していきます。

資源とは何か

この単元のタイトルにもなっている「資源」とは、そもそも何なのでしょうか。資源とは、自然界によって与えられて、人間の暮らしや生産活動に役立つもののことです。資源は、大きく次の4つに分類できます。

分類 具体例
エネルギー資源 石油、石炭など
鉱産資源 鉄、銅など
水資源 雨水、地下水など
生物資源 農作物、樹木など

前回までの単元「世界の農林水産業」は、このうち生物資源について学んでいたともいえます。この単元では、何回かの授業に分けて、さまざまな資源を取り上げます。学ぶときの視点は、分布・生産・消費・課題の4つです。どこに分布し、どこで生産され、どこで消費されるのか、そしてどんな課題があるのかを意識していきましょう。

「資源を学ぶ視点」と題したスライド。上に資源の定義が書かれ、下の表にエネルギー資源(石油、石炭など)・鉱産資源(鉄、銅など)・水資源(降水、地下水など)・生物資源(農作物、水産物など)の4分類と例が並ぶ。右の枠には「どこに分布するのか?」「どこで生産されるのか?」「どこで消費されるのか?」「どんな課題があるのか?」の4つの問いがある。
右の枠の4つの問い(分布・生産・消費・課題)は、どの種類の資源にも共通する学び方の視点

このレッスンでは、これらの資源のうちエネルギー資源について詳しく学びます。

エネルギー資源の種類

エネルギーはとても広い意味をもつ言葉で、光や熱、動力など、さまざまなものを含んでいます。そこで、一次エネルギーと二次エネルギーに分けて考えると理解しやすくなります。

一次エネルギー

一次エネルギーとは、自然界にそのまま存在しているエネルギーのことです。代表的なのが、石油・石炭・天然ガスといった化石燃料です。化石燃料は、地中に埋まっているものを掘り出して使います。

自然界に存在する再生可能エネルギーも、一次エネルギーに含まれます。燃料として木材を使う薪、川を流れる水を利用する水力、風の力を利用する風力などがその例です。さらに、原子力発電の燃料になるウランも、一次エネルギーにあたります。

二次エネルギー

一方、二次エネルギーとは、一次エネルギーを加工・変換して、使いやすい形にしたものをいいます。石油からつくったガソリンや、天然ガスからつくった都市ガスなどが、二次エネルギーに含まれます。

二次エネルギーの中で最も重要なものが電気です。電気は私たちの暮らしに最も身近なエネルギーですが、電気そのものが自然界にあるわけではありません。電気は、火力発電所で石油や石炭を燃やしたり、水や風の力を使ったりして発電機を回すことでつくられます。そのため、電気も二次エネルギーに分類されます。

風の力でつくった電気も、二次エネルギーなのですか?

Kiri
Kiri

そうだよ。風力は一次エネルギーで、それを変換してつくった電気は二次エネルギーになるんだ。

私たちは、こうして得られた二次エネルギーを使って暮らしています。調理に使う熱を得たり、家の電気をつけて光を得たり、ガソリンで車を動かして動力を得たりするのが、その例です。

薪を直接燃やして調理するなど、一次エネルギーをそのまま利用することもあります。ただし、その割合は非常に小さいものです。私たちの生活の多くは、二次エネルギーによって支えられているといえるでしょう。

「エネルギーの分類」の図。左の一次エネルギーの欄に化石燃料(石油、石炭、天然ガス)、原子力(ウラン)、再生可能エネルギー(薪、水力、風力など)が並ぶ。「加工」「変換」の矢印で中央の二次エネルギー(電気、ガソリン、都市ガスなど)へつながり、「利用」の矢印で右の消費(熱、光、動力)へ進む。下には、一次エネルギーから消費へ直接向かう「直接利用」の矢印がある。
消費に至る道筋は2本ある。上は二次エネルギーを経る太い矢印、下は一次エネルギーをそのまま使う細い「直接利用」の矢印

エネルギー資源利用の変化

続いて、エネルギー資源の利用が、歴史的にどのような変化をたどってきたのかを確認しましょう。次のグラフは、世界全体でのエネルギー消費の変化を示したものです。時代が進むにつれて、世界全体のエネルギー消費が大きく伸びていることがわかります。

「世界のエネルギー使用量とその内訳の推移」の積み上げグラフ。横軸は1800年から2000年代、縦軸は使用量(TWh)。下から石炭・天然ガス・石油・原子力・水力の順に色分けされ、いちばん上の緑の帯が薪・木炭など(伝統的バイオマス)。風力・太陽光など(再生可能エネ)は右下に水色で示されている。
1800年の左端では、グラフのほぼすべてを緑の帯(薪・木炭など)が占めている

産業革命と石炭

なぜ、これほど消費が増えてきたのでしょうか。内訳の変化とあわせて考えてみましょう。1800年代の初めごろ、人間が使っていたのは、主に薪や炭などの比較的小規模なエネルギーだけでした。こうしたエネルギー資源を伝統的バイオマスといいます。

転換点になったのは、18世紀後半にイギリスで起こった産業革命です。蒸気機関が発明され、それまで人の手で行っていたさまざまな作業を、機械が担うようになりました。この蒸気機関の燃料として使われたのが石炭です。そのため産業革命以降、世界全体で石炭の需要が急増しました。

同じ推移グラフで石炭の帯を濃い色で強調し、右上がりの赤い矢印を重ねたもの。「産業革命 蒸気機関の普及により石炭の消費量が急増」と書かれた枠と、蒸気機関車の絵が添えられている。
濃く塗られたいちばん下の帯が石炭。赤い矢印のとおり、石炭の帯は産業革命以降、現在までおおむね厚みを増している

石炭は、近代の工業化を支えた重要な一次エネルギーです。同時に、今でも多くの国で重要なエネルギー資源です。

石炭は、もう昔の燃料なのですか?

Kiri
Kiri

いや、今も多くの国で重要なエネルギー資源なんだ。新しいエネルギーが出てきても、古いものがすぐ消えるわけではないよ。

石油の時代とエネルギー革命

20世紀に入ると、今度は石油の需要が大幅に増加しました。最大の理由は自動車の普及です。ガソリンは自動車の燃料になりました。さらに石油は、合成ゴムやプラスチックなど、さまざまな化学製品の原料にもなりました。

石炭は固体ですが、石油は液体です。そのため、タンカーやパイプラインで大量に輸送しやすいという利点もあります。こうして1960年代には、エネルギーの主役が石炭から石油へと移っていきました。この石炭から石油へのエネルギーの主役の移行を、エネルギー革命と呼びます。

同じ推移グラフで石油の帯を強調したもの。左上に【要因】として「自動車の普及による燃料需要」「石油化学工業の台頭」「液体で大量輸送が容易」が並ぶ。中央の枠には「エネルギー革命 1960年代から、エネルギー資源の主役が石炭から石油にシフト」と書かれ、下向きの矢印が1960年ごろのグラフを指している。
下向きの矢印が指す1960年ごろから、赤い石油の帯が急に太くなっていく

近年では、風力発電や太陽光発電など、さまざまな再生可能エネルギーの普及も進んでいます。しかし、世界全体のエネルギー消費に占める割合で見ると、石炭や石油などの化石燃料が今でも大きな割合を占めていることに注意しましょう。

同じ推移グラフで石炭・天然ガス・石油の3つの帯を強調し、中括弧でまとめたもの。「世界のエネルギー需要の多くは、今でも化石燃料でまかなわれている。」と書かれた枠が付いている。
中括弧でくくられた3つの帯(石炭・天然ガス・石油)が、現在のグラフの大半を占めている。右下の水色の再生可能エネは、まだ細い帯にとどまる

生産と消費の不均衡

最後に、エネルギー資源の生産と消費の不均衡について考えます。不均衡とは、生産と消費が釣り合っていないということです。これがどういうことなのか、2つの資料から確かめていきましょう。

一人当たりの消費量を比べる

まず取り上げるのは、一人当たりのエネルギー消費量を国ごとに色分けした世界地図です。国全体で使っているエネルギーではなく、あくまで一人当たりの消費量である点が大切です。色の濃い国ほど、一人当たりで使うエネルギーの量が多いことを表しています。

「1人あたりの1次エネルギー消費(供給)量」の世界地図。国ごとに0 kWhから100,000 kWh超までの段階で塗り分けられ、濃い赤ほど消費量が多い。カナダ・アメリカ・北欧・ロシアに名前が付き、「これらの国々で1人あたり1次エネルギー消費量が多い理由」として、工業化の進展、国土が広い→移動用燃料、緯度が高く気温が低い→暖房使用、の3点が枠に書かれている。
名前が付いたカナダ・アメリカ・ロシア・北欧は、どれも濃い赤で塗られている

カナダ、アメリカ、ロシア、北欧などは、特に濃い色で塗られています。これらの国々では、工業化が進んでいることに加えて、国土が広く移動距離が長いこと、あるいは寒くて暖房に使う燃料が多いことが関係しています。

一方、中国やインドなどの色は、それほど濃くありません。中国やインドは人口が多いため、国全体で見ると非常に多くのエネルギーを使っています。しかし一人当たりの消費量で見ると、まだまだ先進国に比べて少ないのです。

同じ世界地図で中国とインドに名前を付け、「中国やインドのエネルギー消費量」として「1人あたり:それほど多くない」「国全体:人口が多いため消費量が多い」と書いた枠を加えたもの。
中国とインドは、カナダやロシアより薄い色で塗られている。国全体の消費量の多さは、この地図には表れない

なお、時間の関係上動画では触れられていませんが、ペルシア湾岸の諸国(サウジアラビア、UAE、カタール、クウェートなど)も、一人あたりエネルギー消費量は世界トップクラスに多くなっています。

これらの国々でエネルギー消費量が多い理由には、酷暑による冷房需要、海水炭化プラントでのエネルギー消費、政策的に安くエネルギー価格が抑えられていること、などが挙げられます。石油などの豊富なエネルギー資源を背景に、高温乾燥という自然環境の中で生活水準を上げた結果とも言えますね。

国全体の生産量と消費量を比べる

今度は一人当たりではなく、国全体での生産と消費を比べます。使うのは、国ごとのエネルギーの生産量と消費量を、左右に並べた棒グラフです。左側がその国のエネルギーの生産量、右側が消費量です。

「おもな国の一次エネルギー生産量と消費量」の棒グラフ。中央に中国、アメリカ、ロシア、サウジアラビア、インド、日本、オーストラリアの国名が上から並び、左に生産量、右に消費量の棒が伸びる。棒は石炭・石油・天然ガス・原子力・水力・その他再エネの内訳で色分けされ、単位はMtoe(百万石油換算トン)。
左右の棒の長さを比べると、その国が生産と消費のどちらに偏っているかがわかる

例えば、いちばん上の中国は、エネルギーの生産量も消費量も世界一です。そのため、左側の生産の棒も、右側の消費の棒も大きく伸びています。中国は特に石炭が多く採れる国で、世界全体の石炭の約半分を産出しています。生産と消費の内訳を見ても、石炭の比率が大きくなっています。

ところが中国では、多くの石炭が採れるにもかかわらず、エネルギーの消費量が年々増え続け、消費量が生産量を上回っています。そのため中国は、生産量が世界一でも足りずに、他国から燃料を輸入しています。中国は、エネルギーの生産量も輸入量も世界一なのです。

同じ棒グラフで中国の行を赤枠で囲み、生産量と消費量の間に「<」の記号を置いて、「エネルギー輸入量世界一」と書いた枠を加えたもの。
赤枠の中で、右の消費の棒が左の生産の棒より長い。どちらの棒でも、最も長い区間は石炭の色

続いて、2番目のアメリカです。アメリカは経済が発展していて人口も多いため、エネルギーの消費量は中国に次いで世界で2番目です。しかし、石炭・石油・天然ガスをいずれも多く産出するため、生産量が消費量を上回っています。そのためアメリカは、エネルギーの消費量が多いにもかかわらず、エネルギー資源を輸出できている国です。

その下のロシア、サウジアラビア、そしていちばん下のオーストラリアは、典型的な資源生産国です。いずれの国も、左側の生産量の棒のほうが長く、右側の消費量の棒は短くなっています。石油や石炭などのエネルギー資源が多く採れる一方で、自国ではそれほど使っていないのです。そのため、こうした国々は他国へ多くのエネルギー資源を輸出することができます。

同じ棒グラフでロシア・サウジアラビア・オーストラリアの行を赤枠で囲み、「【資源生産国】生産量>消費量 ⇒ 資源輸出」と書いた枠を加えたもの。
赤枠の3か国は、どれも左の生産の棒が右の消費の棒より長い。サウジアラビアの生産の棒は、大半が石油の色

その逆に、生産量は少ないのに消費量が多い国の典型例が日本です。グラフからも、エネルギーの消費量に対して、生産量が非常に少ないことが一目でわかります。日本は国内でエネルギー資源をほとんど産出できないため、必要なエネルギーの大部分を他国からの輸入に頼っています。

同じ棒グラフで日本の行を赤枠で囲み、「生産量≪消費量 ⇒ 資源輸入」と書いた枠を加えたもの。
日本の左側の生産の棒は、右側の消費の棒に比べてごく短い

このように、エネルギーを生産する国と消費する国は一致していません。たくさんのエネルギーを生産できるのに、自国ではそれほど使っていない国があります。反対に日本のように、生産できていないのに、たくさん使っている国もあります。このような状況を、「生産と消費の不均衡」といいます。

採れる国と使う国が違うと、どうなるのですか?

Kiri
Kiri

余る国が輸出して、足りない国が輸入する。だからエネルギーは、国境をこえて世界中を行き来するんだ。

まとめ

最後に、このレッスンのポイントを整理しておきましょう。

  • 資源とは、自然界から与えられて、人間の暮らしや生産活動に役立つもののこと
  • エネルギー資源には、自然界にそのまま存在する一次エネルギーと、それを加工・変換して得られる二次エネルギーがある。二次エネルギーの代表例は電気
  • エネルギー利用の歴史には、産業革命以降の石炭の消費増大、20世紀に入ってからの石油需要の増大、1960年代からのエネルギー革命という流れがある
  • エネルギー資源の生産国と消費国は一致しないため、必然的にエネルギーの輸出や輸入が生じる

次のレッスンでは、エネルギー資源の中でも化石燃料を詳しく取り上げます。

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