プレートの境界

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UNIT 02
世界の地形
LESSON 03

プレートの境界3種類の境界と、プレートが生みだす地形

プレートの境界は、広がる・狭まる・ずれるの3種類に分けられます。それぞれどんな地形をつくるのかを代表例とともに確かめ、最後に地震とプレートの関係まで理解しましょう。

▶ 動画 9:50

この記事でわかること

  • プレートの境界が広がる境界・狭まる境界・ずれる境界の3つに分けられることを説明できる
  • 広がる境界と狭まる境界で、それぞれどのような地形がつくられるかを説明できる
  • 地震がよく起こる場所とプレートの境界が一致する理由を説明できる

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動画:プレートの境界

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高校地理「世界の地形」の第3回は、プレートの境界です。

前回は、地球の表面が十数枚のプレートと呼ばれる板で覆われている、という考え方を学びました。ひびの入った卵の殻をイメージすると分かりやすいでしょう。この考え方をプレートテクトニクスといいます。

そして、このプレートとプレートの境目では、さまざまなことが起こっています。今回は、その境目がどのようになっているのかを見ていきます。

プレートの境界とは

地球の表面を覆う十数枚のプレートを世界地図の上で色分けすると、それぞれの広がりがよく分かります。たとえば太平洋は、そのほとんどが太平洋プレートと呼ばれるプレートの上に載っています。北米大陸からグリーンランド、ロシア東部にかけては、北アメリカプレートという大きな一枚のプレートの上に載っています。

「世界を覆う十数枚の『プレート』」と題した世界地図。ユーラシアプレート、北アメリカプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ココスプレート、カリブプレート、ナスカプレート、南アメリカプレート、アフリカプレート、アラビアプレート、インドプレート、オーストラリアプレート、南極プレート、スコシアプレートが色分けされ、境界には赤い矢印が並んでいる。
北アメリカプレートは、北米大陸だけでなくグリーンランドやロシア東部までひと続きになっている。プレートの区切りと大陸の区切りは一致していない

プレートとプレートが接する部分がプレートの境界です。この境界は、両側のプレートがどのように動くかによって、大きく3つに分類されます。

  • プレート同士が離れていく、広がる境界
  • プレート同士が近づいてくる、狭まる境界
  • プレート同士が逆方向に動いていく、ずれる境界
「『プレート』の境界」と題したスライド。「① 広がる境界」「② 狭まる境界」「③ ずれる境界」の3つが縦に並び、それぞれの語に黄色いマーカーで下線が引かれている。
番号と用語だけを示したシンプルな一覧。それぞれの動きの違いは、このあと1つずつ確認していく

3つの境界は、見られる場所も、そこで起こっていることも異なります。ここからは1つずつ具体的に確認します。

広がる境界

まずは、プレートが互いに離れていく広がる境界です。ここは、新しいプレートが生まれる場所でもあります。

広がる境界のしくみ

広がる境界は、地下から湧き上がってきたマントルどうしが、プレート同士の境目でぶつかる場所です。ぶつかったマントルは境目の切れ込みから湧き出し、新しいプレートをつくります。そして新しくつくられたプレートが、両側のプレートを少しずつ押し広げていきます。

代表例は大西洋中央海嶺とインド洋中央海嶺

広がる境界の代表的な場所は2か所あります。1か所目は大西洋中央海嶺です。大西洋を南北に貫く場所で、両脇のプレートが東西に動き、アフリカ大陸と南米大陸を両側へ広げています。

もう1か所はインド洋中央海嶺です。アラビア半島とアフリカの間から始まり、インドの南のほうへ延びる場所で、ここでも大きく広がる動きが見られます。

「『プレート』の境界①:『広がる境界』」と題したスライド。世界のプレート分布図の上に大西洋中央海嶺とインド洋中央海嶺が黄色い線とラベルで示され、北大西洋の「アイスランド」が赤い円で囲まれている。右上にはマントル上昇の断面図、左下には地面が両側へ引かれて中央が落ち込む「地溝」の断面図がある。
黄色い線が海嶺、青い矢印がプレートの動く向き。海嶺を挟んで矢印が左右へ離れていくことを確かめてほしい

大西洋中央海嶺は、海に走る長い割れ目のような線の形をしています。この線こそが、地下からマントルが吹き出して新しいプレートがつくられている部分です。

アイスランドで見られるギャオ

広がる境界でどのような地形が見られるのかは、アイスランドが分かりやすい例になります。アイスランドは大西洋中央海嶺の上に位置しており、広がる境界を地上から見ることのできる非常に珍しい場所です。大地が縦に割れ、新しいプレートが今まさに生まれつつある現場を見ることができます。

このような裂け目をギャオといいます。ギャオは航空写真からもはっきり分かるほど大きく、一部は観光地として知られています。新しい大地が生まれる現場を、柵ごしに間近で眺めることができます。

アイスランドのギャオを地上の展望所から撮影した360度写真。手すりの向こうに、岩盤が縦に裂けた深い割れ目が奥へと続き、底には水がたまっている。奥には低い山並みが広がっている。
手すりのすぐ向こうで岩盤が垂直に切れ落ち、割れ目が奥へと続いている。柵が設けられるほど間近まで近づける

ギャオが観光地になっていると聞くと、一度行ってみたくなります。

Kiri
Kiri

手すりのすぐ向こう側が、プレートの切れ目だからね。写真で眺めるだけでも迫力があるよ。

アフリカ大地溝帯と地溝湖

アフリカ大陸東部に広がるアフリカ大地溝帯も、押さえておきたい地形です。アフリカプレートは今のところ1枚の大きなプレートですが、その下ではマントルが上昇し、プレートの下で左右に分かれています。そのため1枚のプレートを両側から引っ張るような力が働き、アフリカプレートは今まさに2枚の別々のプレートに分かれ、新たな広がる境界になろうとしている最中なのです。引っ張られた場所では地面が陥没して低くなり、このように陥没して低くなった場所を、地面の溝と書いて地溝と呼びます。

地溝が帯のように広がっているのが、アフリカ大陸東部のアフリカ大地溝帯です。陥没した部分に水がたまってできた、水深の深い地溝湖も見られます。タンガニーカ湖とマラウイ湖が、その代表例です。

アフリカ東部の衛星写真。細長い2つの湖が赤い楕円で囲まれ、それぞれ「タンガニーカ湖」「マラウィ湖」とラベルが付いている。右上にはアラビア半島と紅海、右下にはマダガスカル島が写っている。
2つの湖はどちらも南北に細長く、同じ線の上に並んでいる。地溝に沿って水がたまった形が、そのまま湖の形になっている

狭まる境界

2つ目は狭まる境界です。狭まる境界は、ぶつかり合うプレートの組み合わせによって、さらに2つのパターンに分けられます。大陸プレートどうしがぶつかる場合と、大陸プレートと海洋プレートがぶつかる場合の2種類です。

「『プレート』の境界②:『狭まる境界』」と題したスライド。左は世界のプレート分布図で、アラスカの南に弧を描く「アリューシャン列島」が赤い線で囲まれている。右には【パターン1】大陸プレート同士がぶつかる断面図と「(つくられる地形の例)・ヒマラヤ山脈」、【パターン2】大陸プレートと海洋プレートがぶつかる断面図と「(つくられる地形の例)・海溝 ・弧状列島」がある。
右側の2つの断面図を上下で見比べてほしい。パターン1では両側が持ち上がり、パターン2では片側だけが斜め下へ沈み込んでいる。左の地図で赤く囲んだアリューシャン列島は、パターン2でできる地形の実例で、このあと衛星画像でも確認する

大陸プレートどうしがぶつかる場合

1つ目のパターンは、大陸プレートと大陸プレートがぶつかる場合です。このとき、2枚のプレートは、密度も重さもほとんど同じです。そのため、どちらか片方だけが沈み込むということは起こりません。

2つのプレートがぶつかると、境目が押しつぶされて真ん中が盛り上がり、高い山ができます。こうしてつくられた地形の例が、インドの北に広がるヒマラヤ山脈です。インドがユーラシアプレートにぶつかったことで2枚のプレートが押し合い、世界で一番高い山脈が形成されました。

ヒマラヤ山脈のあたりは、昔は海でした。プレート同士がぶつかって押し上げられたことで、海だった場所が高い山脈へと姿を変えたのです。その名残として、山の上から貝の化石が見つかることもあります。

ヒマラヤ山脈を斜め上空から見た衛星写真。雪をかぶった白い山並みが左上から右下へ帯状に連なり、手前の南側には緑色の平野、奥の北側には青い湖が点在する茶色の高原が広がっている。
白い山並みがひと続きの帯になっている。手前は緑の平野、奥は茶色の高原と、色も質感も違う2つの土地の継ぎ目に山脈が立っている

世界で一番高い山脈の上から貝の化石が見つかるというのは、不思議な話ですね。

Kiri
Kiri

しかもヒマラヤは今も年に数ミリずつ高くなっているんだよ。インドプレートが今も北へ進み続けているからね。

大陸プレートと海洋プレートがぶつかる場合

2つ目のパターンは、大陸プレートと海洋プレートがぶつかるケースです。海洋プレートは、一般的に密度が高く重たいという性質を持っています。そのため2つがぶつかると、重たい海洋プレートのほうが下へ沈み込んでいきます。

海洋プレートが沈み込む場所には、海溝と呼ばれる非常に深い谷ができます。太平洋プレートが沈み込んでいる場所も、こうして深い海になります。

日本列島の東側の太平洋を写した衛星画像。左上に日本列島があり、その東の沖合を、周囲より濃い青色の細長い溝が南北に走っている。
濃い青の筋が海溝にあたる。海岸線と平行に、陸から少し離れた沖合を走っていることが読み取れる

さらに、沈み込んでいった海洋プレートは、地下深くで温度が上がって溶け、マグマになります。溶けたマグマは、隣にある大陸プレートを突き破り、火山として地上に出てきます。そして、その火山が島をつくります。

こうしてできた島々は、狭まる境界に沿って弓なりに並びます。これを弧状列島といいます。日本列島も弧状列島の例の一つで、その北東に広がるアリューシャン列島も弧状列島にあたります。

アリューシャン列島を写した衛星画像。弓なりに並ぶ島列が右上へ弧を描いて連なり、その南側の外洋側に沿って、濃い青色の細い溝が走っている。左にはカムチャツカ半島が写っている。
島列の弧と、その外側を走る濃い青の溝がぴたりと平行に並んでいる。海溝と弧状列島が組みで現れることが読み取れる

海溝のすぐ隣に弧状列島が並ぶのは、こうしたしくみによるものです。

ずれる境界

3つ目はずれる境界です。ずれる境界は、2枚のプレートが互いに逆方向へ動いているところで見られます。覚えておくべき代表例は1か所で十分で、アメリカ合衆国の西側、カリフォルニア半島の付け根で見られるサン・アンドレアス断層です。

「『プレート』の境界③:『ずれる境界』」と題したスライド。世界のプレート分布図の上で、北アメリカ大陸の西端が黄色い円で囲まれている。右上には、緑の地表の下の地層が水平方向にずれた様子を描いた断面図があり、その下に代表例として「サン・アンドレアス断層」が挙げられている。
黄色い円の中で、プレートの境界線が海岸から陸地の側へ入り込んでいる。ずれる境界が陸上に現れているため、断層をそのまま目で見ることができる

サン・アンドレアス断層では、プレートがずれている場所、つまり断層の境目をはっきりと確認できます。このような断層が、1000キロメートル以上にわたって続いています。

カリフォルニアのサン・アンドレアス断層を上空から見た衛星画像。乾いた土地を左右に横切る直線的な地形の筋が走り、その上に赤いピンと「サン・アンドレアス・フォルト」のラベル、右側に断層の解説カードが開いている。
乾いた平地を一本の筋がまっすぐ横切っている。周囲の地形とは明らかに向きの違う、断層に沿った線状の地形

プレートの境界と地震

最後に、プレートの境界と地震の関係を押さえます。プレート同士が接する場所では、プレートが動くことで、どうしても地面が少し変形します。そのため、地震が非常に起こりやすくなります。

下の地図は、世界の主要な地震の震源と、プレートの境界を重ねたものです。地震がよく起こる場所とプレートの境目は、非常によく一致します。

「プレートと地震の分布」と題した世界地図。主要な地震の震源が赤い点で示され、太平洋を取り巻くように、またユーラシア大陸南部を東西に横切るように帯状に密集している。北米プレート、ユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート、インド・オーストラリアプレート、南米プレート、アフリカプレートなどの名称が記されている。
赤い点の帯が、プレートの境界線をなぞるように並んでいる。シベリアやアフリカ中央部のように境界から離れた場所には、ほとんど点がない(この地図ではインドプレートとオーストラリアプレートをまとめて1枚として描いている)

プレートが動くだけで地面が変形してしまうのですね。少し怖い気もします。

Kiri
Kiri

地図で見ると、本当に重なっているのが分かるね。動いているからこそ、山も海溝もできたんだよ。地震も同じ動きの一部だと考えてみて。

まとめ

境界 プレートの動き 代表的な地形・場所
広がる境界 互いに離れていく 大西洋中央海嶺、インド洋中央海嶺、ギャオ(アイスランド)、アフリカ大地溝帯
狭まる境界(大陸×大陸) 押し合う ヒマラヤ山脈
狭まる境界(大陸×海洋) 海洋プレートが沈み込む 海溝、弧状列島(日本列島、アリューシャン列島)
ずれる境界 互いに逆方向へ動く サン・アンドレアス断層
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