氷河地形、カルスト地形、サンゴ礁

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UNIT 02
世界の地形
LESSON 10

氷河地形、カルスト地形、サンゴ礁河川と海岸以外の小地形にはどんなものがあるのだろう

河川や海岸のほかにも、小地形をつくるはたらきがあります。取り上げるのは、氷河が山を削ってできる氷河地形、石灰岩が雨水に溶けてできるカルスト地形、サンゴがつくるサンゴ礁の3つです。地形の名前とでき方を、実際の場所とあわせて見ていきます。

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この記事でわかること

  • 氷河がつくるカール・U字谷・ホーン・モレーンなどの地形と、山岳氷河と大陸氷河の違いを説明できる
  • 石灰岩の溶食でできるドリーネ・ウバーレ・ポリエや鍾乳洞などのカルスト地形と、その代表的な場所を説明できる
  • サンゴ礁の3つの形態(裾礁・堡礁・環礁)が、陸地の沈降とともにどう移り変わるかを説明できる

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動画:氷河地形、カルスト地形、サンゴ礁

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前回までは、河川や海岸に見られる小地形を取り上げてきました。今回はそれ以外の小地形として、氷河がつくる氷河地形、石灰岩が雨水に溶けてできるカルスト地形、そしてサンゴがつくるサンゴ礁の3つをまとめて解説します。

氷河が山を削ってできる地形

氷河とは、大きな氷の塊がゆっくりと動いているものです。緯度や標高が高く、寒くて雪がたくさん降る場所では、降った雪が夏でもとけきらずに、どんどん積もっていきます。

こうして何十メートルにも積もった雪が、その重さでぎゅっと押し固められて、大きな氷の塊ができます。この氷の塊が斜面にある場合、自分自身の重さでずるずると動いていきます。その速さは、1日に数cm〜数十cmほどとゆっくりです。

氷河は「氷の河」と書きます。巨大な氷の塊がゆっくり動くようすが、まるで川の流れのように見えることから、この名前が付きました。

動く速さは遅いものの、厚さ数十メートルの氷の塊が重力に引きずられて動いていきます。そのため氷河は、河川と比べて削る力(侵食力)と運ぶ力(運搬力)が強力です。氷河が動いたあとの場所は、地面が大きく削られます。こうして氷河が動くことで形成された地形を、まとめて氷河地形といいます。

「氷河地形」の説明スライド。「氷河:降り積もった雪が圧縮され、重力で動いている氷塊」「1日数cm〜数十cm移動」「侵食力、運搬力が強力」「氷河が動くことで「氷河地形」が形成される」の4項目の下に、山あいの谷を白い氷河が曲がりながら流れ下る空撮写真がある。
写真の白い筋模様の帯が氷河。川と同じように、谷に沿って曲がりながら流れ下っている

アルプス山脈のカールとU字谷

実際の氷河地形の例として、スイスとイタリアの間にあるアルプス山脈を取り上げます。アルプス山脈は新期造山帯に位置する山脈で、現在でも多くの氷河が見られます。こうした美しい氷河地形は、観光名所にもなっています。

まず、山の上のほうが氷河にえぐり取られ、お椀のような形にくぼんでいる地形を、カール(圏谷)といいます。アイスクリームをスクープですくい取ったあとのような形です。

そして、カールの下のほうで、氷河が通ったあとにつくられる谷をU字谷と呼びます。文字どおり、横から見るとアルファベットのUのような形をしているのが特徴です。このU字谷が海に沈むと、前回のレッスンで取り上げたフィヨルドになります。

アルプス山脈の氷河を上空から見た Google Earth の画像。山の上のほうにあるお椀形のくぼみ2つを赤く塗って「カール(圏谷)」、氷河が流れた谷2本を赤く塗って「U字谷」のラベルを付け、下に「※沈水するとフィヨルドに」の注記がある。
赤く塗られた場所の形と位置を比べる。山頂近くのお椀形のくぼみがカール、そこから下へ延びる谷がU字谷

ホーン(尖峰)

また、山頂の周りが氷河によって削られて、鋭く尖って残った山をホーン(尖峰)といいます。アルプス山脈のマッターホルンは、ホーンの代表例です。

マッターホルンを斜め上から見た Google Earth の画像。鋭く尖った山頂を赤い丸で囲み、「ホーン(尖峰)」のラベルに「せんぽう」の読みがなを付けている。
山頂だけが鋭く尖って突き出している。周りの斜面が削られ、取り残された部分がホーン

日本で見られるカールとホーン

こうした氷河地形は、日本でも見ることができます。例えばカールには、飛騨山脈(北アルプス)の涸沢カールなどがあります。ホーンの例としては、同じく北アルプスにある槍ヶ岳などが挙げられます。どちらも、登山をする人にとっては聖地のような場所です。

日本の山にも、カールやホーンがあるのですね。

Kiri
Kiri

地形の名前を知っていると、山の景色の見え方が変わります。登山の楽しみが一つ増えるよ。

氷河の末端に見られる地形

流れてきた氷河の終わりの部分には、氷河が運んできた岩くずなどが堤防のように堆積した丘が見られます。この丘をモレーンといいます。氷河は川の流れでは動かないような大きな岩も運べるため、氷河がとけたあとには、そうした大きな岩などが残ってモレーンが形成されます。

このモレーンによってせき止められてできた湖や、氷河が削ってできたくぼみに水がたまった場所が、氷河湖です。

氷河の末端を上空から見た Google Earth の画像。白い氷河の先にある湖を赤い丸で囲んで「氷河湖」、その湖を外側から取り巻く堤防のような高まりを赤い線でなぞって「モレーン」のラベルを付けている。
氷河の先端にある湖が氷河湖。その外側を弧を描いて囲む土砂の高まりがモレーンで、湖をせき止めている

エスカーとドラムリン

氷河の末端部には、モレーンや氷河湖のほかにも見られる地形があります。例えばエスカーは、岩くずなどが細長く堆積した地形です。これは、氷河の底を流れるとけた水の川が、岩くずなどを堆積させてできたものです。また、ドラムリンは、氷河によって形成された楕円形の小さな丘を指します。

氷河の末端部の地形を描いた鳥瞰の模式図。細長く枝分かれして延びる高まりに「エスカー(氷河の底を流れた河川による堆積物による丘)」、青い湖に「氷河湖」、湖を縁取る帯状の高まりに「モレーン」、並んだ小さな丘に「ドラムリン(氷河によって形成された楕円形の小丘)」のラベルが付いている。
細長く枝分かれした高まりがエスカー。左手前に同じ向きでいくつも並ぶ小さな楕円形の丘がドラムリン

ドラムリンのでき方には諸説あります。一度できたモレーンがふたたび侵食されたと説明する資料もあれば、氷河が後退する際につくられたとする資料もあります。このような地形がドラムリンと呼ばれる、という程度に押さえておけば十分です。

山岳氷河と大陸氷河

カールやホーンをつくる、山の上にあるような氷河は、山岳氷河と呼ばれます。氷河は大きく2種類に分けられます。もう1つは陸地全体を広く覆うタイプの氷河で、大陸氷河あるいは氷床といいます。

現在、大陸氷河が見られる場所は、ほとんどが南極大陸に集中しています。そのほかには、グリーンランドに少し存在している程度です。しかし、地球の気温が今よりも低かったころには、大陸氷河が今よりもずっと広い範囲に存在していました。

最終氷期に広がった氷河

地球の気温が低かった期間を氷期といい、その中で一番最近のものを最終氷期と呼びます。最終氷期は、今から約7万年前から約1万年前までの期間です。この最終氷期には、氷河が次の地図に示す範囲まで広がっていました。

氷河を山岳氷河(山地に形成される氷河)と大陸氷河(氷床。大陸を広く覆う氷河)に分けた説明と、ヨーロッパと北アメリカの地図に最終氷期の氷河の分布を水色で塗った図。北アメリカの地図では五大湖が赤い丸で囲まれ、「五大湖:氷河湖、氷河が侵食したケスタ」の注記がある。
水色が最終氷期の氷河の範囲。ヨーロッパでは北部一帯を、北アメリカでは大陸の北半分ほどを覆い、赤丸の五大湖もその中に入る

ヨーロッパでは、イギリスやスカンディナビア半島が氷河に覆われ、ドイツの北部まで氷河が来ていました。このため、ドイツより北のヨーロッパは、氷河に地面の表面を削られたことで土壌がやせており、あまり農業に向いていない土地になっています。この話は、農業の分野でもあらためて登場します。

北アメリカ大陸では、五大湖がすっぽり隠れるくらいの範囲まで、氷河に覆われていました。五大湖も、氷河によって削られてできた氷河湖に分類されます。しかも、氷河湖としては世界最大のものです。

この五大湖は、安定陸塊のレッスンで、ケスタの一例としても紹介しました。構造平野の中で軟らかい地層の部分を削った力の正体が、氷河です。つまり、五大湖は氷河で削られたケスタに水がたまってできた氷河湖であり、ここで2つの話がつながります。

石灰岩が溶けてできるカルスト地形

カルスト地形とは、石灰岩がつくり出した特徴的な地形の総称です。石灰岩は、炭酸カルシウムを主成分とする岩石です。セメントの原料になるほか、ガラスなどをつくる際にも使われます。身近なところでは、チョークや、グラウンドに線を引く粉も炭酸カルシウムです。

この炭酸カルシウムは、雨に溶けやすい性質があります。もう少し正確にいうと、雨水の中の二酸化炭素と反応しやすい性質です。そのため、石灰岩の土地に雨が降ると、地面がだんだんと溶けていきます。このように地面が溶かされることを溶食といい、溶食によってつくられたさまざまな地形をまとめてカルスト地形といいます。

「カルスト地形」の説明スライド。「石灰岩で形成された地形の総称」から「主成分:炭酸カルシウム(CaCO3)」「セメントなどの原料」「雨水中の二酸化炭素と反応して侵食される(溶食)」の3項目が枝分かれし、下に白っぽい岩が草原のあちこちから顔を出す秋吉台の写真がある。
山口県の秋吉台。緑の草原のあちこちから、白っぽい岩が顔を出している。地表に現れた石灰岩が、溶食を受けている姿

ドリーネ・ウバーレ・ポリエ

溶食によってできた地面のくぼみを、ドリーネといいます。ドリーネの直径は、数m〜数百mほどです。目で見て、へこんでいるのがはっきりわかるくらいの大きさです。

溶食が進んで、ドリーネどうしがつながったものがウバーレです。さらに溶食が進み、集落ができるくらいの広い平地になったものを、ポリエまたは溶食盆地といいます。

次の模式図では、ポリエがドリーネやウバーレより少し大きいくらいに描かれています。しかし、実際の規模はまったく違います。ポリエは、幅が数km〜数十kmにもなる平野です。下に水がしみ込まず、地表を水が流れるくらいまで溶食が進んだ場所を指します。

カルスト地形を描いた鳥瞰の模式図。緑の台地に、小さな丸いくぼみ2つ(ドリーネ)、ひょうたん形につながったくぼみ(ウバーレ)、川の流れる大きな盆地(ポリエ(溶食盆地))が描かれ、右側に工場(セメント工場)と塔のような岩山(タワーカルスト)、断面の地下に空洞(鍾乳洞)がある。左上にドリーネの空中写真、右下に鍾乳洞の写真が添えられている。
くぼみの形を比べる。丸いドリーネ、それがつながったウバーレ、底を川が流れる広いポリエの順に大きくなる

小さいほうから順に、ドリーネ、ウバーレ、ポリエ。この3つはセットで覚えてしまいましょう。

ドリーネ、ウバーレ、ポリエ……カタカナが続いて、混ざってしまいそうです。

Kiri
Kiri

声に出して何度か唱えてみて。リズムで覚えた言葉は、試験のときにすっと出てくるよ。

鍾乳洞とタワーカルスト

カルスト地形は、ほかにもあります。石灰岩の地面に降った雨は、ドリーネやウバーレにできた割れ目から地下へとしみ込んでいきます。そうして地面の中までどんどん溶かされ、地中に大きな空洞ができることがあります。こうしてできた空間が鍾乳洞です。

また、石灰岩には溶けやすい場所と溶けにくい場所があり、その違いによって凸凹が巨大化して、タワーのようになる場所があります。このような場所を、タワーカルストといいます。

カルスト地形が見られる主な場所

カルスト地形が見られる主な場所は、日本では山口県の秋吉台です。海外では、カルスト地形の名前の由来にもなったスロベニアのカルスト地方や、中国の桂林などがあります。地図上でこれらの場所が示されたら、カルスト地形と結びつけられるようにしておきましょう。

「カルスト地形の見られる主な場所」と題した図。日本、ヨーロッパ、東アジアの衛星画像に「山口県・秋吉台」「スロベニア・カルスト地方」「中国・桂林」の場所を赤い丸で示し、秋吉台には白い岩が一面に並ぶ写真が添えられている。
赤い丸の位置に注目。本州の西の端、アドリア海の北の奥、中国の南部と、地図上の位置とセットで押さえる

秋吉台と桂林で見るカルスト地形

山口県の秋吉台には、カルスト地形を実際に観察できる散策路も設けられています。地表には大小さまざまなくぼみや穴があいていて、その一つ一つがドリーネ、あるいはウバーレと呼ばれるものです。

カルスト地形が広がる土地には、原料としての石灰岩を採取するセメント工場が立地しやすいという特徴もあります。秋吉台の周辺には、山が白くなっている場所もあります。その正体は、山を掘って石灰岩を採取しているセメント工場です。

秋吉台の周辺にある石灰岩の採掘場を上空から見た Google Earth の画像。山が階段状に掘り下げられて白っぽい岩肌が広がり、いちばん底には緑色の水がたまっている。右上に「秋吉台 美祢市の観光名所」の表示が写り込んでいる。
秋吉台の周辺にある石灰岩の採掘場。山の斜面が段々に掘り下げられ、白い石灰岩の岩肌が現れている

石灰岩はセメントの原料として重要で、日本で100%自給できる数少ない資源です。秋吉台の周辺では、この石灰岩を安定して供給できるように、セメント工場から港まで専用の輸送路も設けられています。

地下に広がる鍾乳洞

秋吉台の地下には鍾乳洞が広がっており、観光資源としても生かされています。

「カルスト地形(鍾乳洞)」のスライド。天井から垂れ下がる岩と、床から柱のように伸びる岩が並ぶ鍾乳洞の写真に、「※参考:カルスト地形の化学反応 CaCO3 + CO2 + H2O ⇄ Ca(HCO3)2」の式が重ねられている。右下に「スロベニア・ポストイナ鍾乳洞」の表示がある。
スロベニアのポストイナ鍾乳洞。地下の空洞に、垂れ下がる岩や柱のような岩が立ち並ぶ

写真に添えた式は、カルスト地形で石灰岩が二酸化炭素と雨水によって溶かされるようすを、化学反応式で表したものです。地理の学習でここまで理解する必要はありませんが、理系の人は参考にしてみてください。

ピナクルとカレンフェルト

秋吉台では、白い岩がたくさん並んでいるようすも見られます。この岩の一つ一つをピナクルといい、ピナクルがたくさん並んでいる場所をカレンフェルトと呼びます。

石灰岩は、どこでも均等に溶けるわけではありません。雨水の流れ方などによって、溶けやすい場所と溶けにくい場所があります。溶けにくい場所が取り残されることで、ポコポコと出っ張ったピナクルが形成されます。

「カルスト地形(カレンフェルト)」のスライド。秋吉台の草原に白い石灰岩が一面に点在する写真で、手前の2つの岩を赤い丸で囲み、「一つ一つがピナクル」の注記を付けている。
赤い丸の岩1つがピナクル。同じような岩が斜面いっぱいに広がる景色全体が、カレンフェルト

地形図で見るカルスト地形

秋吉台を地形図で見ると、特徴的な地図記号がたくさん並んでいます。これは、小凹地または凹地を表す地図記号で、凹地とはへこんでいる場所のことです。秋吉台の地形図では、この記号でドリーネやウバーレを表しています。

秋吉台周辺の地形図(地理院地図より作成)。等高線の間に、小さな輪の中へ矢印が向く記号や、短い線(ひげ)の付いた輪の記号が多数散らばっている。左上の赤い枠に(小)と(大)の2種類の記号を拡大して示し、「凹地(おうち)の地図記号」と注記している。
矢印の付いた小さな輪と、短いひげの付いた輪を探す。地形図一面に散らばる記号の一つ一つが、くぼみの位置を示している

地形図に凹地の地図記号がたくさん並んでいたら、カルスト地形だと読み取れるようになりましょう。

桂林のタワーカルスト

カルスト地形の例を、もう一つ取り上げます。世界遺産にもなっている中国の桂林で、特徴的に見られるタワーカルストです。細長い山のような形がたくさん見られますが、これも石灰岩の溶食によってつくられた地形です。

でき方は、カレンフェルトと同じです。雨水に溶かされずに残った場所が、大きくタワーのような形になったものがタワーカルストです。

「カルスト地形(タワーカルスト)」のスライド。霧のかかった川沿いに、塔のように切り立った細長い岩山がいくつも並ぶ写真で、「中国・桂林で見られるタワーカルスト」の説明が添えられている。
平らな川辺から、切り立った岩山がいきなり立ち上がっている。溶け残った石灰岩が、塔のような形になった姿

サンゴがつくるサンゴ礁

サンゴ礁をつくるサンゴは、体内に共生する藻類の光合成によって成長します。そのため、暖かくて太陽の光が届きやすい、浅い場所で発達します。

裾礁・堡礁・環礁

サンゴ礁は、その形態によって、裾礁・堡礁・環礁の3つに分けられます。裾礁、堡礁、環礁の順番で発達していくので、3つをまとめて覚えておきましょう。

「サンゴ礁 ※暖かくて(低緯度)浅い海に発達」と題した模式図。陸地の縁をサンゴ礁(ピンク)が取り巻く「裾礁(きょしょう)」、陸地とサンゴ礁の間に海が入った「堡礁(ほしょう)」、陸地が見えなくなりサンゴ礁だけが輪になった「環礁(かんしょう)」が矢印で順につながり、堡礁と環礁の内側の水域に「礁湖(ラグーン)」のラベルがある。下に代表例として沖縄(石垣島など)、グレートバリアリーフ、ビキニ環礁の衛星画像が並ぶ。
左から右へ、茶色の陸地が海に沈んでいき、最後はピンクのサンゴ礁だけが輪になって残る。下の衛星画像は、それぞれの実例

裾礁は、陸地にサンゴがくっついているタイプです。日本で見られるサンゴ礁は、基本的にこのタイプです。

陸地が沈んでいくと、陸地に接していたサンゴ礁は、光を求めて上へ上へと伸びていきます。サンゴは、共生する藻類の光合成がないと生きていけないためです。こうして、沈んでいく陸地とサンゴ礁の間に海が入ってきたものを、堡礁と呼びます。

堡礁は、英語でBarrier Reefといいます。世界的に有名なオーストラリアのグレートバリアリーフも、この堡礁に分類されます。

最後は環礁です。陸地がさらに沈んで、サンゴ礁だけになってしまったものを指します。太平洋のビキニ環礁や、インド洋のモルディブなどが代表例です。

礁湖(ラグーン)

サンゴ礁と陸地の間の水域は、ラグーンと呼ばれます。海岸地形で登場した潟湖も、ラグーンでした。英語ではどちらも区別せずにラグーンと呼びます。日本語では、サンゴ礁のラグーンを潟湖ではなく礁湖と呼んで区別します。

同じラグーンでも、日本語では呼び名が変わるのですね。

Kiri
Kiri

漢字に注目すると迷わない。「礁」の字が入っていれば、サンゴ礁のほうだよ。

まとめ

今回取り上げた3つの小地形を、つくるはたらきと主な地形で整理します。

小地形 つくるはたらき 主な地形 例に挙げた場所
氷河地形 氷河(山岳氷河・大陸氷河)が動くことによる、強い侵食と運搬 カール(圏谷)、U字谷(沈水するとフィヨルド)、ホーン(尖峰)、モレーン、氷河湖、エスカー、ドラムリン アルプス山脈(マッターホルン)、北アルプス(涸沢カール、槍ヶ岳)、五大湖
カルスト地形 石灰岩の溶食 ドリーネ、ウバーレ、ポリエ(溶食盆地)、鍾乳洞、ピナクル、カレンフェルト、タワーカルスト 山口県の秋吉台、スロベニアのカルスト地方、中国の桂林
サンゴ礁 サンゴの成長と陸地の沈降 裾礁、堡礁、環礁、礁湖(ラグーン) 日本(裾礁)、グレートバリアリーフ(堡礁)、ビキニ環礁・モルディブ(環礁)

このほかの小地形として、乾燥地形を紹介している教科書や資料集もあるかと思います。乾燥地形については、気候分野の乾燥地域の単元で紹介する予定です。

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