大地形の区分(2)(古期造山帯)

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UNIT 02
世界の地形
LESSON 05

大地形の区分(2)(古期造山帯)古生代にできた山地に、なぜ石炭が眠るのか

世界の陸地は、造山運動が起こった時期によって3つに区分されます。前回の新期造山帯に引き続き、今回は古期造山帯を取り上げます。古期造山帯の形成された時期、覚えておきたい山脈、そして鉱産資源との関係を解説します。

▶ 動画 5:12

この記事でわかること

  • 古期造山帯ができた時代を、3つの区分の中での位置づけとあわせて説明できる
  • 主な古期造山帯の分布と、再隆起という例外を説明できる
  • 古期造山帯で石炭が多くとれる理由を、古生代の生物の歴史から説明できる

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動画:大地形の区分(2)(古期造山帯)

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大地形の区分の2回目は、古期造山帯を取り上げます。

古期造山帯はいつの造山運動でできたのか、世界のどこに分布するのか、そしてどのような資源が取れるのか。この記事では、この3点を順に整理します。

前回の復習:大地形は造山運動の時期で3つに分かれる

世界の陸地は、造山運動が起こった時期によって、安定陸塊・古期造山帯・新期造山帯の3つに区分されました。この3区分は、形成時期・分布・とれる資源という3つの観点から整理できます。

地質時代の年表に、3つの区分それぞれの造山運動が起こった時期が赤い波線で示された表。下に〈整理ポイント〉①形成時期 ②分布 ③とれる資源の囲みが付く。

3つのうちいちばん新しい新期造山帯は、前回のレッスンで解説しました。古期造山帯は、それに次いで新しい区分にあたります。

古期造山帯の形成時期と分布

古期造山帯が形成されたのは、古生代と呼ばれる時代です。

覚えておきたい主な古期造山帯

古期造山帯が見られる場所としては、次を覚えておけば十分でしょう。

  • ①イギリスのペニン山脈
  • ②スカンジナビア半島のスカンジナビア山脈
  • ③アフリカ大陸南部のドラケンスバーグ山脈
  • ④ヨーロッパとアジアの境界となる、ロシアのウラル山脈
  • ⑤中央アジアに広がるテンシャン山脈
  • ⑥同じく中央アジアに広がるアルタイ山脈
  • ⑦アメリカ東部のアパラチア山脈
  • ⑧オーストラリア東部のグレートディバイディング山脈
世界地図に古期造山帯の8つの山脈が赤で示され、右に①〜⑧の山脈名の一覧が並ぶ図。中央アジアの2山脈は緑で囲まれ、「例外的に高くて急峻⇒再隆起したため」の注記が付く。

例外的に高くて険しいテンシャン山脈とアルタイ山脈

古期造山帯は、基本的には低くてなだらかな山地です。ただし、テンシャン山脈とアルタイ山脈の2つは、この特徴にあてはまりません。

この2つは造山運動を受けたあと、インドプレートがユーラシアプレートにぶつかることで大地が盛り上がりました。この現象を「再隆起」といいます。再隆起が起こったため、テンシャン山脈とアルタイ山脈は古期造山帯でありながら例外的に高くて険しい山脈になっています。

古期造山帯なのに高くて険しい、というのは紛らわしいですね。

Kiri
Kiri

例外として覚えておきたいのはテンシャン山脈とアルタイ山脈くらいなので、名前と中央アジアという位置をセットで覚えておこう。

Google Earthで見る古期造山帯の姿

この8つのうち、いくつかを実際にGoogle Earthで見てみましょう。

ウラル山脈 — ヨーロッパとアジアの境界

ロシアに広がるウラル山脈を境に、西側をヨーロッパ、東側をアジアとすることもあります。Google Earthで拡大すると、新期造山帯とは異なり、なだらかな山脈が続いていることが分かります。

Google Earthで拡大したウラル山脈の画像。灰緑色の丸みを帯びた尾根がいくつも連なり、谷筋には残雪の白い筋が見える。

アパラチア山脈 — 山というより丘

アメリカ東部に広がるアパラチア山脈も、古期造山帯のひとつです。石炭が豊富にとれる場所でもあります。侵食によって起伏が少なくなり、場所によっては山というより丘のようになっています。

Google Earthで拡大したアパラチア山脈の画像。森に覆われた細かい起伏が一面に広がり、枝分かれした谷が刻まれている。

古期造山帯でとれる資源は石炭

古期造山帯の資源といえば、石炭です。石炭がとれる場所を炭田といいます。世界の主な炭田を先ほどの世界地図に重ねると、古期造山帯と分布が重なる場所が多いことが見て取れます。

白地図の世界地図に、主な炭田が黒い四角で示され、ペニン山脈・ドラケンスバーグ山脈・グレートディバイディング山脈・アパラチア山脈が赤い帯で重ねられた図。

地図が重なっているというだけで、石炭と結びつけてよいのでしょうか。

Kiri
Kiri

古期造山帯以外にも大きな炭田はいくつもあるけれど、どうして古期造山帯では石炭が産出されやすいのか、理由も説明できるようにしておこう。

古期造山帯で石炭が多くとれる理由

では、古期造山帯で石炭が多くとれる理由は何でしょうか。

古生代は陸地に生命が現れた時代

古期造山帯は、古生代に形成された地質です。そしてこの古生代は、地球上で陸地に本格的に生物が進出した時代でもありました。

それまでの地球では、海の中が生物の生息地の中心でした。しかし、海の中で光合成が進んだことで、海の中だけでなく大気中の酸素濃度も増えました。酸素が増えると、有害な紫外線から生き物を守るオゾン層が形成されます。こうして陸地でも生きられる生き物が大幅に増えたのが、今から約4億年前、古生代と呼ばれる時代の中頃でした。

石炭の話なのに、オゾン層まで出てくるとは思いませんでした。

Kiri
Kiri

地理でここまで細かい理科の知識は問われないかもしれないけど、「なぜ?」を知っておくと、「なるほど!」につながって覚えやすくなるかと思って解説しています。

大繁殖したシダ植物が石炭になった

地上で最初に大繁殖したのは、巨大なシダ植物でした。石炭は、いわば植物の化石のようなものです。古生代には石炭のもととなるシダ植物が大繁殖し、その死骸から大量の石炭が生まれました。

そのため、古生代の地層である古期造山帯では、石炭が多く採取されるのです。

年表の古生代を緑の丸で囲み、陸地に生命が誕生した時代の流れ(光合成、オゾン層、陸上進出、シダ植物、石炭)を矢印で並べた図。左下に石炭ができる過程の断面図。

まとめ

古期造山帯は、形成時期・分布・とれる資源の3つの観点で整理できます。

観点 古期造山帯
形成された時代 古生代
分布 ペニン山脈・スカンジナビア山脈・ドラケンスバーグ山脈・ウラル山脈・テンシャン山脈・アルタイ山脈・アパラチア山脈・グレートディバイディング山脈の8つ
特徴 基本的には低くてなだらか。テンシャン山脈とアルタイ山脈は、再隆起によって例外的に高くて険しい
とれる資源 石炭。古生代に大繁殖したシダ植物が、石炭のもとになった
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