C気候(温帯)の自然と暮らし

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UNIT 03
世界の気候
LESSON 09

C気候(温帯)の自然と暮らし夏に乾燥する温帯が、大陸の西側にしかないのはなぜか

温帯は、最寒月平均気温が18℃未満、−3℃以上の場所です。これをCs・Cw・Cfa・Cfbの4つに分け、大気大循環や季節風、暖流、偏西風のはたらきから分布を確かめます。また、植生や農業、ワインやカフェなど暮らしとの関わりを見ていきます。

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この記事でわかること

  • 温帯の定義と、Cs・Cw・Cfa・Cfbの4つへの分け方を説明できる
  • 地中海性気候が緯度30〜45度の大陸西側に分布する理由と、硬葉樹林・ワイン・小麦などの暮らしとの関係を説明できる
  • 西岸海洋性気候が高緯度のわりに温暖な理由と、Cw・Cfa・Cfbの植生などの特徴を説明できる

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動画:C気候(温帯)の自然と暮らし

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C気候(温帯)とは、どのような場所なのでしょうか。前回までの熱帯・乾燥帯に続いて、今回は温帯を詳しく取り上げます。

温帯(C気候)の定義と4つの分類

温帯とは、最寒月平均気温、つまり1年で最も寒い月の平均気温が18℃未満、−3℃以上の場所です。暑すぎず寒すぎず、人間の活動が最も盛んな気候といえます。

この温帯は、詳しく見るとさらに4つの気候帯に分類されます。

  • 夏に乾燥する地中海性気候で、記号はCs
  • 冬に乾燥する温暖冬季少雨気候で、記号はCw
  • 年間を通して降水が見られ、最暖月平均気温が22℃以上の温暖湿潤気候で、記号はCfa
  • 年間を通して降水が見られ、最暖月平均気温が22℃未満の西岸海洋性気候で、記号はCfb
左に温帯の定義を示すグラフがあり、最寒月平均気温18℃未満・−3℃以上の範囲が温帯とされている。右には、夏季乾燥のCs(地中海性気候)、冬季乾燥のCw(温暖冬季少雨気候)、年中湿潤で最暖月平均気温22℃以上のCfa(温暖湿潤気候)と22℃未満のCfb(西岸海洋性気候)に分ける分類図がある。
左は、最寒月平均気温が−3℃以上18℃未満なら温帯という基準。右は、乾燥する季節と最暖月平均気温で、Cs・Cw・Cfa・Cfbの4つに分ける分類

地中海性気候(Cs)

温帯の1つ目は、夏に乾燥する地中海性気候(Cs)です。北半球と南半球のどちらでも、緯度30〜45度くらいの場所に見られます。

緯度30〜45度に分布する理由

Cs気候がなぜこのくらいの緯度に分布するのか、大気大循環のモデルから考えてみましょう。緯度30〜45度くらいの場所は、北半球では夏に北上してきた亜熱帯高圧帯の影響で雨が少なくなり、冬には南下してきた亜寒帯低圧帯の影響で雨が降ります。

7月と1月の地球を並べた大気大循環のモデル図。赤道低圧帯(熱帯収束帯)・亜熱帯高圧帯・亜寒帯低圧帯の帯が季節によって南北にずれ、2つの地球の間に、緯度ごとの「年中多雨」「雨季・乾季」「年中乾燥(B)」「地中海性気候」の帯が示されている。
北半球の「地中海性気候」の帯は、7月には亜熱帯高圧帯、1月には亜寒帯低圧帯と同じ緯度にある

これより緯度が低くなると、1年中亜熱帯高圧帯の影響が大きくなり、乾燥するB気候になってしまいます。そのため、前回のレッスンで学んだB気候の分布と重ねると、BS気候のすぐ外側、つまり高緯度側に接するようにCs気候が分布していることがわかります。

世界地図に、Cs(地中海性気候)の分布をオレンジ色で、BW(砂漠気候)とBS(ステップ気候)の分布を茶色と黄色で重ねて塗った地図。左上に「主に大陸西岸に分布」とあり、右上に7月と1月の大気大循環のモデル図が添えられている。
オレンジ色のCsは、茶色や黄色の乾燥帯の高緯度側の縁に、大陸の西岸で接している

大陸の西側だけに見られる理由

ただ、このモデルのとおりなら、同じ緯度の場所はすべてCs気候になってしまいそうです。しかし実際には、Cs気候は大陸の西側にしか見られません。大陸の東側には暖流が流れていて、水蒸気が供給されやすい状態です。さらに夏には、海から陸に向かって季節風が吹きます。そのため大陸の東側は夏でも雨が降りやすく、Cs気候にはならないのです。

世界で5か所しかない分布

そのため、Cs気候の分布は非常に限られており、大きく分けると世界で5か所しかありません。5か所すべてを、ぜひ頭に入れておきましょう。

  • 名前のとおり、地中海沿岸から西アジアにかけての地域
  • アメリカ合衆国の西側、カリフォルニアの周辺
  • 南アメリカ大陸の西側、チリのサンティアゴ周辺
  • アフリカ大陸の先端、南アフリカ共和国のケープタウン周辺
  • オーストラリア南部、パースの周辺
Cs(地中海性気候)の分布をオレンジ色で塗った世界地図の上に、「☆世界で5ヶ所☆」として、①地中海沿岸〜西アジア、②北米大陸西側(カリフォルニア)、③南米大陸チリ周辺、④アフリカ大陸南端(ケープタウン)、⑤オーストラリア南西部(パース)が並べられている。地図ではパースの位置が赤い丸で囲まれている。
オレンジ色の範囲は、地中海沿岸から西アジアにかけての帯を除くと、どれもごく狭い

夏のバカンスと白壁の街並み

Cs気候の地域では、夏に晴れの日が続きます。そのため、特に地中海沿岸は、夏休みのバカンスを過ごす保養地としても人気があります。例えば、エーゲ海にあるミコノス島は世界有数のリゾート地です。強い日差しを防ぐため、石灰岩を塗った美しい白壁の建物が並ぶことでも有名です。

Cs気候の分布図の上で、エーゲ海に浮かぶミコノス島の位置が赤い点で示され、白い壁の建物が丘の斜面に密集し、奥に風車と青い海が見える街並みの写真が添えられている。上部に「夏に晴れるためバカンスの保養地としても人気」とある。
白い壁の家々が、青い海を背に斜面いっぱいに建ち並んでいる

硬葉樹林と乾燥に強い作物

とはいえ、気温が高くなる夏に雨が降らないと、植物は困ってしまいます。では、Cs気候ではどんな作物が栽培されているのでしょうか。スペイン南部を上空から眺めると、山の斜面一面に木が生えているように見えますが、実はこれはオリーブ畑です。

オリーブは夏の乾燥に耐えられるように、小さくて硬い葉を持っています。オリーブは、Cs気候の植生である硬葉樹林の代表的な樹種です。

「植生:小さくて硬い葉を持つ硬葉樹林」の文の下に、細長い葉の間に緑色や黒紫色の実がなっているオリーブの木の写真がある。
細長く小ぶりな葉が、枝にすき間なくついている

オリーブに加え、同じく硬葉樹林であるコルクガシなども、Cs気候では栽培されています。ほかにも乾燥に強い作物として、オレンジやレモンなどの柑橘類や、ブドウの栽培も盛んです。そして、ブドウから作られるワインの生産国の上位には、地中海の国々が並んでいます。

「植生:小さくて硬い葉を持つ硬葉樹林(例:オリーブ、コルクガシ、など)」「農作物:オレンジ、レモン、ぶどう(ワイン)」の文の下に、ワインの瓶とグラス、ぶどうの写真と、「ワインの国別生産量(2019)」の表がある。表はイタリア47,500、フランス42,100、スペイン33,700、アメリカ合衆国24,300、アルゼンチン13,000、オーストラリア12,000、チリ11,900、南アフリカ共和国9,700、世界計256,000(単位はkhl)。
生産量の上位3か国は、いずれも地中海の国々。チリや南アフリカ共和国も表に並ぶ

高校生のみなさんはまだ飲めませんが、スーパーのワイン売り場には、フランスやスペイン、イタリアなどのワインが並んでいます。それに加えて、カリフォルニアや南アフリカ共和国、チリなどのワインも数多く置かれています。こうした国々でもワインの生産が盛んな背景には、地中海性気候の特徴があるのです。

小麦を主食とする食文化

地中海沿岸の食事といえば、ワインに加えて、パスタやパンなど小麦を原料にした食べ物が多くあります。米は夏場に大量の水が必要になるため、地中海性気候には不向きな作物です。代わりに、米よりも乾燥や低温に強く、冬の雨で栽培できる小麦が、地中海の主食となってきました。

コルク栓のワインを飲みながら、パンにオリーブオイルをつけて食べるような食事は、地中海性気候の特徴が色濃く反映された食文化です。

「植生:硬葉樹林(例:オリーブ、コルクガシ、など)」「農作物:オレンジ、レモン、ぶどう(ワイン)、小麦(米よりも降水量が少なく、冷涼な気候に向く)」の文の下に、コルク栓とワインの瓶・グラスの写真と、パンとオリーブオイルの写真が並び、それぞれ「ワイン(ぶどう)」「コルクガシ」「パン(小麦)」「オリーブ」と名前が付けられている。
ワイン、コルク栓、パン、オリーブオイルのどれもが、Cs気候で育つ作物や樹木からできている

地中海性気候の雨温図

最後に、地中海性気候の雨温図を確かめましょう。ローマとパースの雨温図は、ぱっと見の形は違いますが、どちらも地中海性気候の雨温図です。

ローマ(イタリア)とパース(オーストラリア)の雨温図が並び、それぞれ気温の高い時期を「夏」としてオレンジの丸で囲み、その時期の降水量に向けて「乾燥」と矢印で示している。ローマは年平均気温15.7℃・年間降水量798.0mm、パースは年平均気温18.4℃・年間降水量726.4mm。右に2都市の位置を示す世界地図がある。
どちらも、気温の山にあたる夏の時期に、降水量の棒が短くなっている

ローマは、夏に乾燥していることが分かりやすい雨温図です。一方、パースは南半球の都市なので、季節が逆になることに注意してください。12月から2月ごろの気温が高くなっている時期を夏と考えれば、どちらも「夏に乾燥」という条件に当てはまるため、地中海性気候となります。

パースの雨温図は山と谷が逆の形なので、最初は別の気候だと思いました。

Kiri
Kiri

形に惑わされず、まず気温の高い時期を探すのがコツ。そこが乾いていれば、Cs気候だと判断できるよ。

温暖冬季少雨気候(Cw)

温帯の2つ目は、冬に乾燥する温暖冬季少雨気候(Cw)です。C気候の中では最も緯度が低い場所に見られる気候で、主な分布は東南アジアからインドのやや内陸に入ったあたりです。

この一帯は、季節風の影響を強く受けます。夏には海からの季節風で降水量が多くなり、冬には大陸からの季節風で冷たく乾燥します。

夏に雨が集中する雨温図

Cw気候の雨温図の例を確かめると、暖かく湿った季節風の影響で、夏の雨が非常に多くなっています。そのため、Cw気候は「冬に乾燥する気候」というよりも、「夏の雨がとても多い気候」ととらえるとよいでしょう。

Cw(温暖冬季少雨気候)の分布を黄緑色で示した世界地図の上に、香港の雨温図が重ねられている。雨温図では5月から9月ごろの降水量の棒がピンクの楕円で囲まれ、「夏に多雨」と記されている。年平均気温22.6℃、年間降水量2311.0mm。
香港の降水量の棒は6〜8月に突出して高く、冬の月はごくわずか

標高が高い場所のCw

なお、アフリカや中南米にもCw気候が分布していますが、これらは基本的にはAw気候の続きだと考えてください。アフリカの南部やエチオピア周辺、メキシコやアンデス山脈周辺などは、平地であればAw気候になるような緯度にあります。しかし、標高が高い位置にあるために気温が下がり、Aw気候ではなくCw気候になっているのです。

Cw(温暖冬季少雨気候)の分布を黄緑色で示した世界地図で、アフリカ南部、メキシコ、アンデス山脈、南アメリカ大陸東部のCwが赤い丸で囲まれ、「アフリカや中南米のCw気候 → 標高が高いAw」と記されている。
赤丸のCwは、アジアの主な分布から離れた低緯度の地域に点在し、標高が高いためにAwではなくCwになっている

米の二期作と茶の栽培

Cw気候は、植物が成長する夏に雨が多いため、農業に向いている気候です。アジアではこの雨を生かして、米を年に2回収穫する二期作が行われている地域もあります。

さらに、Cw気候は「茶の気候」とも呼ばれるほど、茶の栽培が盛んです。気温の高い生育期には雨が多く、摘み取る時期には乾燥するという気候が、茶の性質に合っているのです。世界的な茶の産地であるインドのアッサム地方やダージリン地方は、ちょうどCw気候に位置しています。

「夏の高温多雨をいかした米の二期作」「茶の栽培が盛ん(Cwは別名『茶の気候』)」の文の下に、茶畑で茶葉を摘む女性の写真と、南アジアの衛星画像がある。衛星画像ではCw気候の分布が黄緑色で示され、その中にダージリンとアッサムの位置が丸印で示されている。
アッサムとダージリンは、どちらも黄緑色で示したCw気候の範囲の中にある

Cw気候の植生(照葉樹林)

Cw気候の植生は、照葉樹林と呼ばれます。夏の雨と冬の乾燥に耐えるため、葉がテカテカしている植物が照葉樹林です。ツバキのほか、シイ、カシ、クスノキなどが照葉樹林の木にあたります。

「Cwの植生:照葉樹林(葉っぱがテカテカ)」「樹種の例:シイ、カシ、クスノキなど」の文の下に、常緑の木が茂る「照葉樹林の森」の写真と、つやのある濃い緑の葉をつけた「照葉樹林の例(ヤマツバキ)」の写真が並んでいる。
ヤマツバキの葉は厚みがあり、表面が日の光を照り返すほどつややか

クスノキは、あの『となりのトトロ』に登場するモコモコとした大きな木、といえば思い浮かぶでしょうか。日本でも西日本を中心に多く見られた樹種です。しかし現在では人工林に変わってしまい、一部の神社やお寺の周りなどを除いて、大規模な照葉樹林は日本にほとんど残っていません。

トトロの大きな木がクスノキだったなんて、知りませんでした。近所の神社にも大きな木があります。

Kiri
Kiri

今度その木の葉を見てみて。厚くてテカテカした葉なら、照葉樹林の仲間かもしれないね。

温暖湿潤気候(Cfa)

温帯の3つ目は、年間を通して雨が降り、最暖月平均気温が22℃以上の温暖湿潤気候(Cfa)です。Cfa気候は主に大陸の東側に分布しており、日本も北海道を除くほとんどがCfa気候に属しています。

Cfa(温暖湿潤気候)の分布を緑色で示した世界地図。日本や中国、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸の東側などが塗られ、日本付近には大陸から吹き出す「冬の季節風」の矢印がある。上部に「主に大陸東岸に分布」「北海道を除く日本の大半が所属」「四季の変化が明瞭」とある。
北アメリカ大陸や南アメリカ大陸でも、緑のCfaは大陸の東側に塗られている

そのため、日本の自然や暮らしを思い浮かべると、Cfa気候の特徴をつかみやすくなります。夏は海からの季節風で蒸し暑く、冬は大陸からの季節風で寒くなります。春夏秋冬の季節の変化が、最もはっきりしている気候です。

混合林と褐色森林土

Cfa気候の植生は、混合林もしくは混交林と呼ばれます。本州で近くに山がある地域に住んでいれば、冬でも葉のついている木もあれば、冬には葉の落ちている木もあるでしょう。さらに、葉の細長い針葉樹林もあります。いろいろな木が混ざっているはずです。

このように、冬に葉の落ちる落葉樹、葉の落ちない常緑樹、そして針葉樹林が混ざった森林を、混合林あるいは混交林といいます。日本の多くの地域で見られる植生です。

Cfa気候の土壌は褐色森林土と呼ばれ、その名のとおり、森の地面に形成される褐色の土壌です。温度と水分のバランスがよく、落ち葉も多いCfa気候では、腐植が厚く、肥沃な土壌が形成されます。

「植生:混合林(混交林)→ 落葉広葉樹、常緑広葉樹、針葉樹が混在」の文の下に、葉を落とした冬の林、常緑樹の林、松ぼっくりのついたマツの枝の3枚の写真が並ぶ。その下に「土壌:褐色森林土(肥沃度:高)」の文と、手のひらにすくった土の写真、落ち葉の積もった林床の写真があり、落ち葉から土へ矢印が向いている。
落ち葉の写真から土の写真へ向かう矢印は、積もった落ち葉が肥沃な土のもとになることを示している

西岸海洋性気候(Cfb)

最後の温帯は、年間を通して雨が降り、最暖月平均気温が22℃未満の西岸海洋性気候(Cfb)です。緯度40〜60度ぐらいの大陸西側に位置しており、C気候の中では最も高緯度側に分布しています。ヨーロッパでは、イギリス全土とドイツ、ポーランドの周辺、それからノルウェーの沿岸までを含む大陸西岸がCfb気候です。

高緯度のわりに温暖な理由

緯度を変えずに日本をヨーロッパに重ねてみると、Cfb気候区の多くは北海道よりも高緯度側に位置していることがわかります。北海道は冷帯なので、Cfb気候の広がる大陸西岸は、緯度が高いわりに温暖だといえます。

ヨーロッパのCfb(西岸海洋性気候)の分布を緑色で示した地図。ノルウェーの沿岸からイギリス、フランス、ドイツ、ポーランド付近までが塗られ、左下の枠に「同緯度・同縮尺の日本」の地図が置かれている。上部に「特徴:高緯度の割に温暖」とある。
左下の枠は、同じ緯度・同じ縮尺で重ねた日本。北海道でさえ、緑のCfbが広がる範囲の南の端あたりの緯度にしか届かない

Cfb気候が高緯度のわりに温暖なのは、北大西洋海流という暖流の上を、1年中偏西風が吹いているためです。暖流の上を通った暖かい空気が運ばれてくるので、冬でもそれほど気温が下がりません。

ヨーロッパのCfb気候の分布図に、大西洋を北東へ流れる北大西洋海流のオレンジの矢印と、西から東へ吹く偏西風の黄色の矢印が描かれ、「特徴:高緯度の割に温暖 → 暖流である北大西洋海流の影響」と記されている。
オレンジの暖流の上を通った黄色の偏西風が、そのまま緑のCfbの地域に吹き込んでいる

パリのカフェとテラス席

Cfb気候の暮らしの例として、フランスのパリの街並みを取り上げます。パリには古くからカフェの文化が根付いており、テーブルと椅子を外に置いたテラス席が多く見られます。これも、夏でも涼しく、冬でもそこまで寒くないCfb気候だからこそできることです。

パリの街角をストリートビューで見た画像。花で飾られたカフェの前の歩道にテーブルと椅子が並び、大勢の人が座っている。通りの向かいにも、赤い日よけの下にテラス席がある。
歩道にまで並べたテラス席が、多くの客で埋まっている

これがCfa気候の日本だったらどうでしょうか。テラス席があっても、真夏のうだるような暑さの中や冷たい冬の風の中では、屋外のカフェはあまり快適とは思えません。

日本の真夏にテラス席でお茶をするのは、たしかにちょっと大変そうです。

Kiri
Kiri

気候は、街並みや人の過ごし方にも表れるんだ。旅行先では、外の席の多さにも注目してみよう。

ヨーロッパ以外の分布

ヨーロッパ以外にも、偏西風の影響が強い地域ではCfb気候が分布します。南半球では、チリ南部や、オーストラリア南東部からニュージーランド全域がCfb気候です。また、アラスカの沿岸も、アラスカ海流という暖流の影響でCfb気候になっています。

Cfb(西岸海洋性気候)の分布を緑色で示した世界地図で、ヨーロッパ以外のアラスカ沿岸部、オーストラリア南東部、ニュージーランド全域、チリ南部が赤い丸で囲まれ、それぞれの地名が記されている。
赤丸の4地域は、いずれも海沿いの細長い範囲か島にある

植生・土壌と農業

Cfb気候の植生と土壌も確認しておきましょう。冬に葉の落ちるブナの木などが植生の代表となるため、土壌はCfa気候と同じく褐色森林土となります。

「植生:ブナの木など(Cfbは別名『ブナ気候』)」「土壌:褐色森林土」「農業:混合農業、酪農(詳しくは『世界の農業』の動画で)」の文の横に、黄色く色づいた葉をつけた木々が並ぶ「ブナの木の森」の写真がある。
黄色く色づいたブナの森。冬には葉を落とす落葉樹の森

最後に、Cfb気候の農業についてです。Cfb気候は、夏でも気温がそれほど上がらず、降水量も多くはありません。そのため、夏場の高温と大量の水が必要な稲作には向いていません。

加えて、ヨーロッパの場合は、昔氷河に覆われていたために、やせた土地が多く見られます。そのため、混合農業や酪農といった農業が発達してきました。これらの農業については、農業分野のレッスンで改めて詳しく解説します。

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